農作物共済の仕組み

農作物共済の仕組みを、次の質問に答える形でご説明します。

 1.補償対象の農作物は? 
 2.加入するには? 
 3.引受(加入)方式は? 
 4.共済責任期間は? 
 5.共済金額は? 
 6.共済掛金の額は? 
 7.共済事故の対象は? 
 8.共済金の支払額は? 
 9.損害発生の通知と損害評価は? 

1.補償対象の農作物は

 補償対象の作物は、水稲と麦です。
 用途や品種等で類区分しており、引受方式との関係は次のとおりです。
共済
目的の
種類
加入区分 類区分 選択できる引受方式
水稲 第1区分 1類 1回作の主食用米 全相殺方式、半相殺方式、品質方式及び一筆方式
2類 1回作の飼料用米及びバイオ燃料用米
3類 1回作の米粉用米
第2区分 7類 主食用米及び米粉用米 地域インデックス方式
2類 1回作の飼料用米及びバイオ燃料用米 全相殺方式、半相殺方式、品質方式及び一筆方式
小麦 第1区分 1類 秋期に播種する小麦 全相殺方式、半相殺方式、災害収入共済方式及び一筆方式
2類 春期に播種する小麦
第2区分 3類 田で耕作する小麦 地域インデックス方式
4類 畑で耕作する小麦
二条大麦 第1区分 5類 秋期に播種する二条大麦 全相殺方式、半相殺方式、災害収入共済方式及び一筆方式
6類 春期に播種する二条大麦
第2区分 7類 田で耕作する二条大麦 地域インデックス方式
8類 畑で耕作する二条大麦
裸麦 第1区分 12類 秋期に播種する裸麦 全相殺方式、半相殺方式、災害収入共済方式及び一筆方式
第2区分 13類 田で耕作する裸麦 地域インデックス方式
14類 畑で耕作する裸麦
その他麦 第1区分 15類 秋期に播種するその他の麦 全相殺方式、半相殺方式、災害収入共済方式及び一筆方式
16類 春期に播種するその他の麦

※ 類区分ごとに引受けと損害評価が行われます。

※ 表中には無い、水稲の4~6類は2回作、麦の9~11類は六条大麦となっています。

※ 一筆方式以外の引受方式で、一筆半損特約を選択申込みできます。

2.加入するには

 水稲と麦を合せて30a以上耕作している農家で、水稲、麦ごとに所定の期日までに耕作を行う耕地の全てを農作物共済に付することを申し込み、組合がこれを承諾することによって、加入することができます。

3.引受(加入)方式は

 引受(加入)方式は、水稲、麦ごとに次の種類があります。


補償対象
作物
引受方式 補償
割合
補償内容
水稲、
一筆方式
(水稲)
70 被害耕地にかかる減収量が、その耕地の基準収穫量の3~5割(農家が選択した補償割合に応じた割合)を超えるときに、共済金が支払われます。 ※34年産から廃止となります。
60
50
半相殺方式 80 被害耕地にかかる減収量の合計が、その農家の基準収穫量(全耕地の基準収穫量の合計)の2~4割(農家が選択した補償割合に応じた割合)を超えるときに、共済金が支払われます。
70
60
全相殺方式 90 全ての耕地の増減収量を相殺した結果、農家の減収量が、その農家の基準収穫量の1~3割(農家が選択した補償割合に応じた割合)を超えるときに、共済金が支払われます。
80
70
地域インデックス方式 90 農家ごと、統計単位地域ごとに当該農家の耕地が所在する市町村の統計データによる収穫量が、その農家ごと、統計単位地域ごとに過去の市町村の統計データによって算定された基準収穫量の1~3割(農家が選択した補償割合に応じた割合)を超えて減少した場合に共済金が支払われます。
80
70
品質方式(水稲)、災害収入共済方式(麦) 90 農家ごとに、農作物の減収および品質の低下がある場合、その農家の生産金額の減少額が基準生産金額の1~3割(農家が選択した補償割合に応じた割合)を超えるときに共済金が支払われます。
80
70

※ 一筆・半相殺・全相殺方式の基準収穫量とは、いわゆる平年収穫量のことで、組合が耕地ごとに設定した基準単収に引受面積を乗じて農家ごとに合計して算定します。

※ 地域インデックス方式の基準収穫量は、市町村(麦にあっては田畑別)ごとの統計単収に基づき設定された基準単収に統計単位地域ごとの引受面積を乗じ、農家ごと統計単位地域ごとに算定します。

※ 基準生産金額とは、いわゆる平年的な生産金額のことで、組合が組合員及び類区分ごとに設定します。

※ 統計単位地域とは、統計単収が公表される単位で、水稲については市町村、麦については市町村で田畑別の区域です。

※ 全相殺方式、水稲品質方式及び麦災害収入共済方式での加入は、出荷数量の判明や青色申告などの諸要件が整っている場合に限ります。

4.共済責任期間は

 共済金支払の対象となる期間(共済責任期間といいます)は次のように定められています。

<水 稲>
 本田移植期(直播の場合は発芽期)から収穫期まで

< 麦 >
 発芽期から収穫期まで

※ 上記の期間外に発生した災害については、補償の対象外となります。 なお、圃場乾燥中のものは、通常の圃場乾燥期間に限り共済責任期間として取扱いますが、いったん収穫物を圃場から搬出すると、損害があっても補償の対象にはなりません。

5.共済金額は

 共済金額は、共済金の支払最高額をいい、次のように算定します。

<一筆方式>
  共済金額 = キログラム当たり共済金額 × (耕地ごとの)基準収穫量 × 農家選択の補償割合

<半相殺方式、全相殺方式及び地域インデックス方式>
  共済金額 = キログラム当たり共済金額 × (農家ごとの)基準収穫量 × 農家選択の補償割合

<品質方式及び災害収入共済方式>
  共済金額 = 基準生産金額(10a当たり基準生産金額 × 引受面積) × 付保割合

※ キログラム当たり共済金額は、毎年、農林水産大臣の告示額に基づき農家が選択します。

※ 補償割合は、組合が事業規程に規定している中から、農家が選択します。

※ 地域インデックス方式の農家の基準収穫量は、統計単位地域ごとに算定することになります。

※ 麦の半相殺及び全相殺方式のキログラム当たり共済金額、災害収入共済方式の10a当たり基準生産金額は、経営所得安定対策の畑作物の直接支払交付金の交付を受ける者(以下「交付農業者」といいます)と交付農業者以外に分けて設定することとなります。

※ 付保割合は、4割~9割の範囲内で農家が選択することができますが、補償割合を超える付保割合の選択はできません。

6.共済掛金の額は

 水稲、麦ごと、類区分ごと並びに引受方式の種類ごとに、次のように算定します。

 農家負担共済掛金 = 共済金額 × 共済掛金率 - 国庫負担掛金

※ 共済掛金標準率は、農林水産大臣が過去20ヵ年の被害率を基礎に定め、3年ごとに改定されます。
 なお、共済掛金率については、農林水産大臣が定めた率を組合員ごとの過去20ヵ年の損害率等を加味して細分化することとしています(危険段階別共済掛金率といいます)。
 また、組合員ごとに適用する危険段階は、直近20年分の損害率を近年ほど高いウェイトを持たせて加重平均し、毎年見直します

※ 国庫負担割合は、約50%となっています(残りの約50%は、農家負担となります)。

7.共済事故の対象は

 共済金の支払い対象となる災害(共済事故といいます)は、次のように定められています。

 風水害、干害、冷害、雪害、その他気象上の原因(地震、噴火を含む)による災害、火災、病虫害、鳥獣害

※ 水稲の品質方式及び麦の災害収入共済方式は、品質の低下も対象となります。

8.共済金の支払額は

<一筆方式、半相殺方式、全相殺方式及び地域インデックス方式>
 一筆方式は、耕地ごとに基準収穫量の3~5割(農家が選択した補償割合)を超える減収があったときに、半相殺方式は、被害耕地にかかる減収量の合計がその農家の基準収穫量(全耕地の基準収穫量の合計)の2~4割(農家が選択した補償割合に応じた割合)を超えたときに、全相殺方式は、農家の減収量がその農家の基準収穫量の1~3割(農家が選択した補償割合に応じた割合)を超えたときに、その超えた部分の減収量(共済減収量といいます)に対して共済金が支払われます。地域インデックス方式は組合員ごと及び統計単位地域(水稲は市町村、麦は市町村及び田畑区分)ごとに、共済責任期間中に共済事故による損害が発生した場合であって、基準単収と当該年産の統計単収の差の減収量がその農家の統計単位地域ごとの基準収穫量の1~3割(農家が選択した補償割合に応じた割合)を超える場合にその超えた部分の減収量(共済減収量といいます)に対して共済金が支払われます。

  共済金の支払額 = 共済減収量 × キログラム当たり共済金額
<品質方式及び災害収入共済方式>
 品質方式及び災害収入共済方式は、品質を加味した実収穫量が基準収穫量を下回り、かつ生産金額が共済限度額(基準生産金額×補償割合)に達しないときに、共済金が支払われます。なお、出来秋評価によるA~Dまでのランクの品質区分に基づき数量払の交付がなされるのと同様に、ランク落ち(例:1等A→1等Bなど)についても災害収入共済方式の補償対象となります。

  共済金の支払額 = (共済限度額 - 生産金額) × 共済金額 ÷ 共済限度額

※ 面積払の交付を受ける交付農業者の麦については、面積払に相当する額が同交付金の数量払に相当する額よりも多い場合は、面積払と数量払の差に相当する額を控除するよう減収量(収穫量)または生産金額を調整して共済金を算定します。

<一筆全損特例・一筆半損特約>
 一筆全損特例とは、集中豪雨等で、耕地全域に土砂が流入し作物が埋没した場合やコムギなまぐさ黒穂病が発生し施設への出荷ができない場合など、収穫皆無(収穫がまったく見込めない)となった耕地に対し共済金を支払う特例措置のことです。 一筆半損特約とは、集中豪雨等で、耕地の半分以上の面積に土砂が流入し作物が埋没したり、雪腐病などで起生割合が50%以下となったことで、当該耕地の収穫量が半作以下となることが見込まれる耕地に適用される共済金の特約支払のことです(一筆方式では特約として選択できません)。 農家単位方式において総収穫量が共済金支払基準を上回った場合でもこのような耕地限定的な被害により一筆全損・一筆半損となった場合に、共済金を支払うことができる特例措置となります。

※ 最終的にお支払する共済金は、一筆全損及び一筆半損に係る共済金と超過被害の共済金を比較し、いずれか大きい金額になります。

9.損害発生の通知と損害評価は

 共済金の支払いを受けるべき損害があると認められる場合、加入農家は、すみやかに組合へ通知することが義務づけられています。


※ 通知がない場合は、損害額の調査(損害評価といいます)は行われず、共済金の支払いを受けることができなくなります。


 組合では、加入農家の損害通知を受けて損害評価を行い、連合会・農林水産大臣の認定(修正)を受けた後、最終的に損害額を確定し、共済金を加入農家に支払います。